★吉川三国志ネタ★
★吉川三国志ネタ★
  水面下の関羽争奪戦   (2011/2/15)
しかし吉川は、読めば読むほどに新たな発見があるな(名作過ぎる)
映画でも名作は何度見ても、新たな発見がある(管理人は同じ映画をエンドレスで見続けることが多い)


▼ツッコまずにはいられない吉川

蔡陽「追手の役、それがしが承らん。関羽とて、何ほどのことやあろう」
   「兵三千を賜らば、即刻、召捕えて参りまする」
曹操「いや待て。――我にこそつれないが、やはり関羽は真の大丈夫である」
   「来ること明白、去ることも明白。まことに天下の義士らしい進退だ。――其方どもも、良い手本にせよ」

程イク「関羽には三つの罪があります。丞相のご寛大は、かえって味方の諸将に不平を抱かせましょう」
曹操「程イク。なぜ、関羽の罪とは何をさすか」
程イク「一、忘恩の罪。ニ、無断退去の罪。三、河北の使いとひそかに密書を交わせる罪――」
曹操「いやいや、関羽は初めから予に、三カ条の約束を求めておる」
   「それを約しながら強いて履行を避けたのは、かくいう曹操であって、彼ではない」
程イク「でも今――みすみす彼が河北へ走るのを見逃しては、後日の大患、虎を野へ放つも同様ではありませぬか」
曹操「さりとて、追討ちかけて、彼をころせば、天下の人みな曹操の不信を鳴らすであろう」
   「――如かず!如かず! 人おのおの、その主ありだ。このうえは彼の心のおもむくまま、故主のもとへ帰らせてやろう……」
   「追うな、追うな。追討ちをかけてはならんぞ」

曹操「関羽の出奔は、あくまで義に背いてはいない」
   「彼は七度も暇を乞いに府門を訪れているが、予が避客牌をかけて門を閉じていたため、ついに書を残して立ち去ったのだ。大方の非礼はかえって曹操にある」
   「生涯、彼の心底に、曹操は気心の小さいものよと嗤われているのは心苦しい」
   「……まだ、途も遠くへはへだたるまい。追いついて、彼にも我にも、後々までの思い出のよい信義の別れを告げよう。――張遼、供をせい!」

臣下一同「…分からん。……実にあのお方の心理は分からん」


配下に「追うな」と言って、関羽が去った北の空を見ながら泣いてたかと思うと、さっさと関羽を追いかける辺りが恋の曹操ですv
「恋の曹操」状態の曹操様の心理は、非常に複雑ですよ!!

関羽が曹操軍に来て以来、程イクたちが曹操様に振り回され過ぎ(笑)
最終的に「あのお方の心理は分からん…」とか言われちゃうし…曹操様が正気を失い過ぎてて笑えます
いや、第三者ポジションだから笑えるが、実際に曹操軍の臣下だったら、主君がこんな状態になるのは非常に困る

関羽が曹操を置き去りにしてさっさと帰っちゃっても怒らなかったどころか、逆に「純忠の士だ…」とさらに惚れこんでる辺り、末期だと言える(禁句)
もはや曹操様は関羽が何をしても、勝手に萌えてそうだ(冷たくされても逆に萌えるらしい)
関羽にしてみたら「自分より翼徳のほうがすごい!」と、あくまで曹操の興味を削ごうとはしてるんだけどな…
しかし「自分には関羽ほどの忠臣がいない」とか言い出したら、惇兄や他の方々が号泣すると思うぜ!?

例えば貂蝉は董卓と呂布を不仲にするために、わざと二人に気に入られるように振る舞ってたが、
関羽の場合は故意ではなく、完全に天然で曹操を惑わせている辺りが恐ろしいわ…(傾国の美髯公)
関羽が故意に惑わせようと思ってしているのでなく、曹操が勝手に惑わされているだけです

当初は、関羽を戦場で使うために配下として欲していたはずなのに、功を立てさせないために戦場に出さないとか、
読書してばかりの関羽を喜ばせるために酒宴を開いていたのに、段々と関羽を見るためだけに酒宴を開くようになっていったり…完全に当初の目的を見失い過ぎだろう
曹操も劉備も、関羽のこととなると正気を失い過ぎだと思う(特に吉川)


▼その頃の袁紹

劉備「それに近頃また、関羽も許都を脱出して、諸所を彷徨うておるやに伝えられております」
   「私をして、荊州へおつかわし下さるなら必ず関羽に会い、お味方につれ戻りましょう」
袁紹「なに関羽を。彼は顔良、文醜を討ったかたきではないか。わしにその関羽を献じて、首を刎ねよと申すのか」
劉備「いえいえ、そんな訳ではありません。顔良、文醜のごときは、たとえば二匹の鹿です」
   「二つの鹿を失っても、一匹の虎をお手に入れれば、償うて余りあるではございませんか」
袁紹「あははは、いや今のは、いささか戯れを言うてみたまでのこと。わしも実は深く関羽を愛しておる」
   「真実、其許が荊州に赴いて劉表を説き、併せて関羽を連れてくるなら、何でわしが不同意を言おう。すぐ出発してくれい」
劉備「承知しました。……が、大策は前に洩れると行えません。私が荊州に行き着くまでは、お味方に極めてご内分になしおかれますように」


って袁紹、お前もか!!(水面下で行われる関羽争奪戦)
そういえば連合軍時代に、関羽が華雄を斬った時に袁紹もいたんだっけ(そもそも袁紹が盟主)
「馬弓手に何が出来る」とか散々文句を言ってたのに…あの時から関羽を狙ってたのは、曹操だけじゃなかったのね…
しかし関羽レベルになると自軍の将が斬られてても無問題なのか(曹操も五関突破されても何も言わなかったしな…)

だが声を大にして言っておくが…
いくら日頃から恋してようが、深く愛してようが、関羽は誰にも渡さねぇよ!!?(この後すぐに袁紹軍を去った劉備)

義弟がモテモテ過ぎて、お兄ちゃん色々と心配です(ホントに)
「恋してる」とか「愛してる」なんて台詞は、関羽に首を捧げる覚悟をしてから言えっつーの(兄者の本気過ぎた覚悟)
もしくは義弟のために国を捨てて仇討ちをするぐらいの覚悟がないと(迷惑極まりない覚悟)
吉川の関羽と劉備は、もはや何も言わなくても通じ合ってる間柄なので、もはや言葉は要りません

それにしても関羽が金銀財宝を置いて、ちゃんと曹操に恩を返して立ち去った一方で、
袁紹の元に逃げのびて、それなりに良い暮らしをさせて貰ったのに、何の恩も返さないで逃げ去った劉備(それは禁句です…)
人は彼を「仁君」とか「大徳」と呼ぶ…!!(※あくまで民には優しい)






  天地も人間も、すべてこの世が美しいものに満ちている   (2011/2/16)
▼吉川ネタ、「後々まで思い出のよい信義の別れを」と言いつつ未練タラタラな丞相(笑)

曹操「オオ、羽将軍。――慌ただしい、ご出立ではないか。さりとは余りに名残惜しい。何とてそう路を急ぎ給うのか」
関羽「その以前、それがしと丞相との間には三つのご誓約を交わしてある」
   「いま、故主玄徳こと、河北にありと伝え聞く。――幸いに許容し給わらんことを」
曹操「惜しいかな。君と予との交わりの日の、交わりの日の余りに短かりしことよ」
   「――予も、天下の宰相たり、決して昔日の約束を違えんなどとは考えていない」
   「……しかし、しかし、余りにもご滞留が短かったような心地がする」
関羽「鴻恩、いつの日か忘れましょう。さりながら今、故主の所在を知りつつ、安閑と無為の日を過ごして、丞相の温情に甘えているのも心苦しく……」
   「ついに去らんの意を決して、七度まで府門をお訪ねしましたが、常に門は各々と閉ざされていて、むなしく立ち帰るしかありませんでした」
   「お暇も乞わずに、早々旅へ急いだ罪は、どうかご寛容ねがいたい」
曹操「いやいや、あらかじめ君の訪れを知って、牌をかけおいたのは予の科(とが)である。――否、自分の小心のなせる業と明らかに告白する」
   「いま自身でこれへ追ってきたのは、その小心をみずから恥じたからである」
関羽「なんの、なんの、丞相の寛闊な度量は、何ものにも、較べるものはありません。誰よりも、それがしが深く知っておるつもりです」
曹操「本望である。将軍がそう感じてくれれば、それで本望というもの。別れたあとの心地も潔い。……おお、張遼、あれを」


関羽「滞府中には、あなたから充分な、お賄いをいただいておるし、この後といえども、流寓落魄貧しきには馴れています。どうかそれは諸軍の兵に分けてやって下さい」
曹操「それでは、折角の予の志もすべて空しい気がされる。今更、わずかな路銀などが、君の節操を傷つけもしまい」
   「君自身はどんな困窮にも耐えられようが、君の仕える二夫人に衣食の困苦をかけるのは痛ましい。曹操の情として忍びがたいところである」
   「君が受けるのを潔しとしないならば、二夫人へ路用の餞別として、献じてもらいたい」
関羽「ご芳志のもの、二夫人へと仰せあるなら、ありがたく収めて、お取次ぎいたそう」
   「――長々お世話にあずかった上、些少の功労をのこして、いま流別の日に会う」
   「……他日、萍水ふたたび巡りあう日くれば、べつにかならず、余恩をお報い申すでござろう」 (※萍水=浮き草と水。転じて、流浪しているもののたとえ)
曹操「いや、いや、君のような純忠の士を、幾月か都へ留めおいただけでも、都の士風はたしかに良化された。また曹操も、どれほど君から学ぶところが多かったか知らぬ」
   「――ただ君と予との因縁薄うして、いま人生の中道に袂を分かつ。――これは淋しいことに違いないが、考え方によっては、人生の面白さもまたこの不如意のうちにある」


曹操「秋も深いし、これからの山道や渡河の旅も、いとど寒く相成ろう」
   「……これは曹操が、君の芳魂を包んで貰いたいため、わざわざ携えてきた粗衣に過ぎんが、どうか旅衣として、雨露のしのぎに着てもらいたい」
   「これくらいのことは君が受けても、誰も君の節操を疑いもいたすまい」
関羽「かたじけない。――せっかくのご餞別、さらば賜袍の恩をこうむるでござろう」


曹操「敵たると味方たるとを問わず、武人のかんばしい心操に接するほど、予は、楽しいことはない」
   「その一瞬は、天地も人間も、すべてこの世が美しいものに満ちているような心地がするのだ」
   「――そういう一箇の人格が他を薫化することは、後世千年、二千年にも及ぶであろう」
   「其方たちも、この世でよき人物に会ったことを徳として、彼の心根に見ならい、おのおの末代にいたるまで芳き名をのこせよ」


関羽のかんばしい心操に接するほど、管理人は良化されるどころか逆に悪化してる気がするのだが、どうすればいい(←関帝廟行って謝罪して来い)
それはともかく曹操様が非常にキレイに話をまとめてくれたのはいいが、最後の最後まで「関羽を見習え」とか言われる配下の気持ちや如何に…
しかも曹操様、とてもカッコイイことを言って関羽と別れたけど、思いっ切り通行証を渡し忘れてるし…

「関羽を見習え」とか何とか偉そうに言いながら、急に「あぁー!!やっべぇ!通行証渡してねぇー!!」と気付いて、また曹操様が大騒ぎし始めて、
配下全員が「あ〜ぁ、またかよ…(´Д`)=3」ってなってると思われる
結局、最後までずっとグダグダな感じです(笑)






  不可能への挑戦   (2011/2/17)
吉川の千里行のラスト、関羽と劉備が再会するシーンで相変わらず萌える
というか「恋の曹操〜千里行」は全部萌えっぱなしだが(おい)
横光のように、みんなが見てる前でも構わずに嬉し泣きして再会を喜ぶ二人もいい
無双のように、いっそ劉備の方から関羽を迎えに行くのもいい(うっかり許昌まで迎えに行くのも良し)

だが吉川のように、再会した時は冷静を装いつつ、
周りに誰も居なくなってから、二人で手を取り合って泣くのもいい…!!
なんかこう…あえて他の人がいなくなってからイチャつく辺りが、さすが吉川!レベルが高い!!(何)
二人きりになってからイチャつくほうが本気っぽい気がする(だから何が)


▼その辺りの一文

やや人なき折を見て玄徳と関羽は、はじめて手を取り合って泣いた。
関羽は、玄徳の沓(くつ)に頬を寄せ、玄徳はその手を押しいただいて額につけた。


……で、この後は!!!?(何)
この後の展開が非常に気になるんだが!!!?(※この後は関平ちゃんを養子にして、次の朝出立しました)
これはもう確実にイチャイチャする展開なんじゃないのか…!!?(何かを期待)
せっかく周りに人がいないんだから、間違いなく二人でイチャイチャするターンだろう!!(激しく期待)
吉川の文章は何回読んでも萌えるわ…(ホントに)


しかし吉川読んでたら「袁紹もありだな」と思った
あぁ、もちろん簡雍のカップリングの相手のことですが(まさかの不可能への挑戦)
果たして名族が、簡雍の放送禁止トークについてこれるかの勝負ですな(何の勝負?)
吉川の簡雍は、それなりに真面目なのでネタ的にどうにも…

ちょっと俺、「泣き虫弱虫」の文庫本買ってこようかな…もちろん簡雍目当てで←
劉璋もありだよな、劉璋も(なんとなく蒼天設定で)