★鳴神左翼さんから頂きました★
明日を愛せるひと (ドクター&カーター)
「人を好きになるというのは、なんとも不毛なことですね」
突然カーターがそんなことを言ったから、ドクターはステンドグラスからカーターへと視線を移した。
「…何かあったのか?」
「いえ何も。私がいきなりこんなことを言いだすのは珍しいことじゃないでしょう?」
しれっと言ってのけるカーターに対し、軽くため息をつくドクター。
「自分で言ってれば世話がないな」
「おや、見捨てられてしまったかな」
カーターはくすくす笑い、後ろからドクターの首に両腕をまわした。
ドクターはその腕にそっと自分の手を触れさせた。
「明日のことは誰にもわかりません」
「そうだな」
「だから、明日には私とあなたが破局している可能性もあるわけです」
「…そうだな」
ドクターはカーターの腕を自分の胸に押しつけるように抱え込んだ。
「しかし、明日もあなたを愛していられるだろうと期待しながら眠りにつけるのはとても幸せなことです」
「さっきと言ってることが違うんじゃないか?」
尋ねると、カーターはドクターの髪に顔をうずめた。
「確かに明日のことは誰にもわかりませんが、期待したり願いをかけたりできるのは人間の特権ですよ」
「またわけのわからないことを言う」
「そんなところが好きだと言ってくれたのはあなたです」
ステンドグラスがきらきらと輝いている。
結婚式を挙げてみたいと言ったら、この風変わりな神父はどんな顔をするだろうかと考えていた。
終わり。
▼ 管理人の一言
リクは「前にこのサイトで行った独自のアンケートで人気の高かったドクターとカーターさんで」とお願いしたため、
左翼さんが書いたことのないカーターさんとドクターものに挑戦して頂きました(感謝!)
もうドクターもカーターさんも二人だけの世界を築きまくりじゃないっスか!!
「カーターさんの訳分からないところが好き」とかって二人共、熱々ですね!(と言いつつ冷房スイッチオン)
どうぞ結婚式なり何なり挙げちゃって下さい(笑)
というか教会でいちゃついてるのは神父的にアウトなのでは…(神父的にアウトでもカーターさん的には無問題?)