★素晴らしき頂き物★
★鳴神左翼さんから頂きました★
  赤い蝶 (バジルさん&アンナさんの夫婦話)

「この季節が来ると思い出すわね」
「何を?」
地面を染める落ち葉を踏みながら歩くバジルとアンナ。
バジルの言葉に、アンナは少々むっとしたようだ。
「忘れちゃった?」
「うん」
「…はぁ」
萎えた気分を吐き出すようにため息をつくアンナ。
「あなたが私にプロポーズしたのも、こんな晩秋のことだったでしょ」
「君の方からプロポーズしてきたんじゃなかったっけ?」
「違うわよ、もう」
呆れてバジルの方を見てみれば、夢中になって野草を観察している。
「確か、その時は落ち葉がひらひらと舞ってて」
アンナの言葉に合わせるように、黄色い葉が一枚降って来た。
「私の頭に落ち葉がたくさんついてて、それをとってくれてた時だったのよ」
言いながら、落ち葉がついていないか確認するように自分の頭をさわるアンナ。
「ちょっと、聞いてるの?」
「聞いてるよ」
と言いつつも、バジルは花から目を離さない。
時々、私と花とどっちが好きなの、と聞いてみたくなる。
そんなこと、聞く方が馬鹿馬鹿しくてやめてしまうが。
「よかったら、僕と山に登ってくれませんか。これからもずっと、って」
「ん〜、そんなこと言ったかな?」
「…もう。それでね、その時」
「赤い蝶が飛んでたんだろう?」
バジルをおいて歩き出そうとしていたアンナが、驚いて振り向く。
「忘れるわけないだろ?」
言いながら、アンナに小さな花束を渡すバジル。
野生の花を集めて作った即席ブーケだ。もちろん華やかなものではない。
「…ありがとう」

あなたが花ばかり見て私を見てくれないから、花なんて嫌いって思ったけど。
やっぱり花は好き。


   終わり。














▼ 管理人の一言

明らかに自分の中のバジルさんのイメージが壊れてると気付き、何とかバジルさんのイメージを元に戻そうとリクした小説。
バジルさんという思いっきり難しいリクに応えてくれた左翼さんに感謝しつつ…
そうだよ!バジルさんはこんな人だよ!拳銃なんかぶっ放す人じゃないんだよ!!(は?)

というかバジルさんって妻子持ちやったぁ―――!!!!(絶叫)
↑「それを…それを忘れちゃダメじゃないっすかぁぁぁ!(遠慮がちのはりせん攻撃/笑)」 掲示板にて左翼さんのつっこみ

そうだ…そう言えばマリーはバジルさんの子供だった…
アカンアカン…すっかり妻と子の存在を忘れてた(おい)
拳銃ぶっ放してるイメージどうのこうのより、もっと根本的な間違いを正して下さり、ありがとうございます!!(正座)
プロポーズも爽やかだぜ、バジルさん!!
何かもうバジルさんに家族がいたことを忘れていた自分を反省。
拳銃ぶっ放す親父なんて有り得ないですな。
この素敵小説のおかげで何とかバジルさんのイメージ復活。
そしてやっぱりリクしすぎだろ、自分…(本当に連続でリクしすぎ!)