★鳴神左翼さんから頂きました★
mur mur twins (カイ&クリフ)
蒸し暑い夜だった。
宿屋の2階には、だれているクリフと機嫌のよさそうなカイがいた。グレイは下で飲んでいる。
「楽しそうだね」
「そりゃ暑いのは大好きだからな」
「うらやましいよ。僕は暑いのも寒いのも駄目だから」
言いながらぱたぱたと手を振って自分に風を送るクリフ。こんなことをしても涼しくなるわけじゃないというのはわかっているのだが。
「ねぇ、カイくんはどうして夏しか来ないの?」
「リックやポプリと同じこと言うなよ」
何回目だろうな、これを聞かれたのは。そう思いながら苦笑する。
「暑いのが好きで、寒いのが嫌いだから」
「それだけじゃないと思うけど」
「そうだな〜…オレはこの町が好きだけどさ、ここに住み続けるのはなんか違うってゆーか」
「違う?」
「合わないっつーか、まぁそんなとこだな。そういやお前は何でここに来たんだよ?」
とたんにクリフの表情が暗くなる。
「僕にもわからないけど…うん、生まれた町に帰りたいのかどうかもわからないんだ」
誰かに、と言うより自分に言い聞かせるように言うクリフ。
「たぶん…僕が出ていったから、家族がおかしくなったんだ。何であの町を出たんだろう」
「暗い!」
「うわ!?」
即座にカイにはり倒され、ベッドに倒れこむクリフ。
「…ここにベッドがなかったら、思いっきり頭打ってたよ」
「そんなこたぁどうでもいいんだよ。オレはそんな暗い話が聞きたかったわけじゃないし、何よりお前を嫌な気分にさせたかったわけじゃない」
「ごめん」
カイから目をそらすように、体の向きを変えるクリフ。
「謝んなくていいっての。お前さ、その気弱な性格どうにかした方がいいと思うぞ」
「カイくんはその生意気な性格をどうにかした方がいいと思うよ」
「はいはい、わかってますって」
適当に返事をしながら、近くのいすに座る。
「ねぇ、聞いていい?」
「今日は質問ばっかだな。何だよ?」
「ポプリちゃんと結婚するの?」
コップにのばしかけたカイの手がはたと止まった。少しの沈黙をはさみ、カイが口を開く。
「わかんねぇよ」
「そう」
カイの返答が簡潔なら、クリフの返答も簡潔だった。
「お前、まさかポプリに惚れたのか?」
「えっ!? 違うよ!」
ぶんぶん手を振るクリフ。
「それだけはやめとけ。つーかオレが許さねぇからな」
カイの目には冗談の色などみじんもなかった。
「…わかってるよ」
つられてクリフも真顔になる。
「わかってんならいいんだよ」
急に軽い口調になり、クリフが倒れこんだままのベッドに腰かけるカイ。
「聞いてほしいことあるんだったら、いくらでも聞いてやるぞ」
「長くなるよ? 一晩かかるかも」
「望むとこだ」
終わり。
▼ 管理人の一言
クリフがカイに張り倒されてベッドに…!!?
かなり健全サイトの危険ラインに接してる気がします(笑)
しかもカイが、クリフが倒れこんだままのベッドに腰かけて「望むとこだ」ってそんな…!(何を考えとるか)
もうやる気満々じゃないですか!!(落ち着け)
ベッドの上で一晩中語り合うつもりか…(何)
というかリクしすぎだよ、自分…この辺ずっと連続でリクしてたみたい…あはは(笑ってごまかし)
リク小説を見た時に掲示板に書いた謎の実況中継(笑)↓
あ〜っと!!クリフがベッドに倒れ込んだぁ!!カイは一体どうする気だ!!
このまま押え付けてしまうのか!クリフ危うし!二人はどうなってしまうのか!?
クリフはベッドに倒れ込んだまま起き上がって来ない!どうしたクリフ!!誘っているのか!?
カイから目線を外して…いや、これはあまりにも無防備だ!!
おっとカイ、ここで一旦ベッドから離れたぞ?さぁ一体どうする気だ?
ベッドの上のクリフを前に何を考えているんだ、カイ!
ここで二人は淡々と会話を交わしていく!まさかこのままトークだけで終わってしまうのか?
あっ!!ここでカイが動いた!!ゆっくりとベッドに近づいて…腰掛けた!!腰掛ました!!
クリフが倒れ込んだままのベッドにカイが!カイが腰掛けました!!
クリフを見下ろすカイ!カイを見上げるクリフ!!
二人の視線が空中でクロスする――!!
さぁそして!そして二人は見つめ合ったまま何を話すのか!!
おっとここでクリフの大胆発言!!「長くなるよ。一晩かかるかも」!!一体何がそんなにかかるのか!!
しかしカイは「望むところだ」と自信たっぷりに言い放つ!!なんて強い!!強すぎるぞ、カイ!!
これが!これが最強の男カイの強さなのか!!クリフの挑戦すらカイには戯れにしかならないのか!!
白いベッドのジャングルの覇者カイ!!さぁ今こそお前の力を見せてやれ!!
ラウンド1!!レディー…ファイトッ!!!
次回「B-1 史上最強の王者決定戦」
B-1の「B」は「牧物(BOKUMONO)」のB!!