★素晴らしき頂き物★
★鳴神左翼さんから頂きました★
  まっさら (カイ&リックの友情風?)

海の家の休憩時間。
ふと窓の外を見たカイは、浜辺に誰かいるのに気づいた。
いたずら心に誘われるように、そっと外に出てそいつに近づいてみる。相手はカイがすぐ近くにいることに気づかないようだ。
「お兄ちゃん♪」
「うぅわ!?」
猫なで声で抱きついてきたカイを振り払うように振り向くリック。
「気色悪いことすんな!」
後ずさるようにカイから離れる。
「そんなことよりさ、ここで何してんだ?」
「考え事、とか」
しれっと話題を変えるカイにこれ以上怒っても無駄だと思ったのか、素直に答えるリック。
「あ、もしかしてオレのこと考えてた?」
カイが妙に楽しそうに言う。
「馬鹿が」
吐き捨てるようにそう言うと、リックはそっぽを向いた。
…図星。
「なぁ、カイ」
「何?」
「お前、何で夏しか来ないんだ?」
「オレだって1年中ここにいたいよ。でもオレ南国育ちだから、暑いとこ以外じゃ生きられないの」
カイは冗談で言ってるんじゃない。リックにもそれはわかった。
「今度、うちの店に来てくれよ」
「へ?」
唐突なカイの言葉に、間の抜けた声を出してしまったリック。
「オレの料理、食べてみてほしいんだ。1回でいいからさ」
カイがあまりにも無邪気な笑顔で言うので、リックも思わず笑顔でうなずいていた。
「あぁ、いいよ」
「オレさ、もっとリックのこと知りたいんだよ。だからいろいろ話したいんだ」
「そうだな、オレも妹の旦那になるやつのことは知っとかないと」
「そーじゃなくて」
リックの言葉をさえぎる。
「ポプリの旦那とか兄貴とか、そういうんじゃなくてさ。オレは、リックっていう1人の人間と仲良くなりたいわけ。わかる?」
口調はふざけていたが、カイの表情は真剣だった。
なぜか照れくさくなり、カイから目をそらすリック。
「あぁ…そうだな」
「オレ、町の男となんかなれあわなくてもいいって思ってたんだ。でも今は、その…リックのこともっと知りたいし、オレのことももっと知ってほしいって思ってんだよ」
「お前、けっこういいやつだな」
カイの頭に手をおき、しみじみ言うリック。
「今頃気づいたわけ?」
言いながら、リックの手の上に自分の手を重ねる。
「…?」
「親父、オレをなぐさめる時はいつもこうやってくれたんだ。なんか懐かしいな」
「これぐらいいつでもやってやるよ」
カイの頭をぐりぐりとなでるリック。


…父さん。
嫌いなやつを好きになるのは難しいって思ってたけど、そうでもないみたいだな。
たぶんこいつは、みんなが思ってるよりいい家族になるよ。


   終わり。














▼ 管理人の一言

「友情風」…らしい(笑)
先生、友情と愛情は何が違うんですか!?(おい)
というかカイが猫なで声で「お兄ちゃん♪」なんて言うのは反則ですよ(笑)

しかも「もしかしてオレのこと考えてた?」とか
「オレさ、もっとリックのこと知りたいんだよ」とか
「オレはリックっていう1人の人間と仲良くなりたいわけ」とか
「リックのこともっと知りたいし、オレのことももっと知ってほしいって思ってんだよ」とか…

あわわ、健全サイト(全国牧場組合)なのにそんなに言っていいんですか!?

でも一番つっこみたいのはリックの「お前、何で夏しか来ないんだ?」という台詞!!
そんなにカイが好きか!!そんなにミネラルタウンにいて欲しいのか!!
じゃあもう結婚しちゃえよ!!(落ち着け)
友情風に見せかけてラブラブな二人が素敵です(笑)