★素晴らしき頂き物★
★鳴神左翼さんから頂きました★
  ステップ・バイ・ステップ (ドクター&主人公♂)

「ただいま」

ドクターがそう言いながらドアを押し開けると、料理をしているらしいピートが視線だけをドクターに向けておかえり、と返した。
ピートがかけているエプロンに見覚えがあったものだから、ドクターははたと足を止めた。

「それ」
「あ、これ?エリィがくれたんだよ」
どこかで見たと思えば、それはエリィがつい先日まで使っていたエプロンだった。
急にエプロンを新調したのはこのためだったのかとドクターは思い至る。

似合う?とすそをつまんで持ち上げるピートに「似合いすぎてる」と笑顔を返し、ドクターはソファへ身を投げ出すように腰を下ろした。
気づけばすぐそばまでピートが来ていて、不思議そうにドクターの顔を覗き込んでいる。
その瞳に浮かぶのは心配の色。

「どこか悪いの?」
「いや…どうしてだ?」
「僕に飛びついてこなかったから」
ピートの言葉に苦笑するドクター。
「何だ、あれは誘ってたのか?」

その笑みにも隠しきれない無理を感じたピートがしょげたような表情になると、ドクターは軽く笑っておいでとささやいた。
ピートがドクターの膝に座ると、ドクターはピートの胸に顔を押しつけるように抱きしめた。それはきつくきつく。

「疲れてるんだ、少しだけ」
「……僕にできること、ある?」
ピートが慈しむようにドクターの髪を撫でた。
少しだけ笑ったらしいドクターの肩が揺れるのがわかった。

「しばらくこうしていてくれればいい」
「それだけ?」
「それだけ」

ドクターを強く抱き返し、大好きだからね、とつぶやくピート。
ドクターは何も言わなかったが、抱きしめる腕に力が入った。


終わり。












▼ 管理人の一言

皆様お待ちかねのドク主新婚編!!しん・こん・へ――ん!!(落ち着いて)
新婚だけあって二人が普通にラブラブ!!(笑)
エプロン姿でドクターを誘うなんて…やり手だなぁ(何が)
本当に両思いな二人が素敵でした(いつもはすぐに飛びつくのか、ドクター!)
しかもすでに二人はエリィさん公認の仲(笑)
もはやエリィさんはもはや二人の一番の理解者なんですか。
読んでて妙にほのぼのしてしまうのは何故(笑)
いつもながら素敵な小説をありがとうございます!